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ライブUSBとデュアルブート

USBメモリからLinuxを起動すれば、インストールせずにその場で試せます。これをライブUSBと呼びます。気に入れば、同じUSBメモリの仕組みを使って本格的にインストールすることもできます。さらに一歩進めると、1台のパソコンにWindowsとLinuxを共存させるデュアルブートも可能です。この章では試す・入れる・共存させるの3段階を、事故を避けるポイントとあわせて紹介します。

WSLや仮想マシン、ラズパイと見てきたが、「手元のパソコンそのものでLinuxを動かしてみたい」と思う人もいるはずだ。この章ではその実現方法を、リスクの低い順に紹介する。

最初の一歩はライブUSBだ。LinuxのシステムをまるごとUSBメモリに入れておき、そこから起動すると、パソコン本体のディスクには一切触れずにLinuxを動かして試せる。

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たとえライブUSBは、試着室のようなものだ。服(Linux)を実際に着てみて確かめられるが、試着室を出ればいつもの服(Windows)に戻る。買う(インストールする)かどうかはそのあとで決めればいい。
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ポイントライブUSBで起動している間、パソコン本体のディスクの中身は変更されない。安心して外観や動作を確認できるのが最大の利点だ。

💿 ライブUSBを作る

ライブUSBを作るには、まず使いたいディストリビューションの公式サイトからISOファイルと呼ばれるイメージファイルをダウンロードし、それを専用ツールでUSBメモリに書き込む。

書き込みツールにはいくつか選択肢がある。ラズパイの章で登場したRaspberry Pi Imagerのほか、balenaEtcherやRufusといったツールが広く使われている。基本操作はどれも近く、ISOファイルと書き込み先のUSBメモリを選んで実行するだけだ。

つまずきUSBメモリへの書き込みは、そのUSBメモリの中身をすべて消して上書きする。書き込む前に、大事なファイルが入っていないUSBメモリかどうか必ず確認する。

🔍 ダウンロードしたイメージの検証

ISOファイルは数ギガバイトになることも多く、ダウンロード中に壊れたり、まれに改ざんされたファイルをつかまされたりするおそれもゼロではない。そこで役立つのがハッシュ検証だ。

配布元の公式サイトには、正しいファイルから計算した「指紋」のような値(ハッシュ値)が公開されている。手元でダウンロードしたファイルから同じ方法で値を計算し、公式の値と一致すれば、ファイルが壊れていないことが確認できる。

sha256sum ubuntu-24.04-desktop-amd64.iso と打つと、そのファイルのSHA-256というハッシュ値が表示される。この値を公式サイトに載っている値と見比べ、一致するかを確認する。
コツ1文字でも違えばファイルは壊れているか改ざんされている。面倒に思えても、大きなイメージファイルほど検証しておくと安心して先に進める。
公式サイトからISOをダウンロードsha256sumで計算手元のハッシュ値公式の値と比較一致すれば安心

🚀 ライブUSBから起動する

ISOの検証が済んだUSBメモリをパソコンに挿し、電源を入れる。多くの場合、起動時に特定のキー(F12やEscなど機種による)を押すとブートメニューが開き、そこでUSBメモリを起動先に選べる。

起動すると、Linuxのデスクトップがそのまま立ち上がる。実際にファイラーを開いたり、ネットにつないだりして雰囲気を確かめられる。同じ画面から「インストール」を選べば、そのまま本格導入にも進める。

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ポイントライブUSBの起動先メニューでUSBメモリを選ぶ操作を「本体のディスクからブートする」に変更しない限り、パソコンは普段どおりWindowsで立ち上がる。試すだけなら怖がる必要はない。

⚠️ デュアルブートという選択

試してみて気に入り、しかもWindowsも手放したくない場合に選べるのがデュアルブートだ。1台のパソコンの中にWindows用とLinux用、両方の置き場所を用意し、起動のたびにどちらを使うか選べるようにする。

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たとえデュアルブートは、1つの本棚を2人でシェアするようなものだ。誰の本をどの棚に置くかをあらかじめ決めておかないと、置き場所がぶつかって共倒れになる。

この「置き場所を決める」作業が、ディスクのパーティション操作にあたる。パーティションとは、1台の物理ディスクを複数の区画に論理的に分割したもので、デュアルブートではWindows用の区画を残しつつ、空いている部分か新たに縮めた部分にLinux用の区画を作る。

つまずきパーティション操作は、手順を間違えるとWindows側の区画ごと消えてしまう事故につながる。作業を始める前に、必ず大事なデータのバックアップを取り、あらかじめ空き容量を確保しておくこと。この2つを飛ばして進めるのは避ける。
Windows用パーティションLinux用パーティション空き領域1台のディスクを区画で分ける起動時にどちらへ入るか選択できる

🧰 事前チェックに使うコマンド

パーティション操作に入る前、まず今のディスクがどんな構成になっているかを確認する習慣をつけるとよい。書き込み先を勘違いしたまま作業を進めるのが、この作業でいちばん怖い失敗だからだ。

lsblk と打つと、パソコンにつながっているディスクとパーティションの一覧がツリー状に表示される。どの区画がどれくらいの容量か、どこにマウントされているかが一目でわかる。
コツ作業対象のUSBメモリやディスクを操作する前には、必ずlsblkで名前とサイズを見比べて「これで間違いないか」を指差し確認する癖をつけると、事故がぐっと減る。

この章で紹介したライブUSB・インストール・デュアルブートは、この順に踏むほどリスクも自由度も上がっていく。焦らず試す段階から始め、必要になったときだけ次の段階に進めば十分だ。

次の章では、自分のパソコンに一切手を触れず、ネット越しに借りるLinuxサーバー、クラウド・VPSという選択肢を紹介する。

この項目に出てくる用語

ライブUSBらいぶゆーえすびー
USBメモリからそのまま起動し、インストールせずにLinuxを試せる仕組みのこと。
デュアルブートでゅあるぶーと
1台のパソコンにWindowsとLinuxなど複数のOSを共存させ、起動時にどちらを使うか選べる構成のこと。
パーティション操作のリスクぱーてぃしょんそうさのりすく
ディスクの区画分けを誤ると、既存のOSやデータごと失われかねないという注意点のこと。

関連コマンド

sha256sum

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