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Linuxをはじめる ・ 入門

インストール直後にやること

ラズパイでもVPSでも、新しいLinuxマシンを手にしたら最初にやることはほぼ共通しています。パッケージの更新、タイムゾーンとホスト名の設定、そして普段使いのユーザー作成です。この章ではインストール直後の定番の初期設定を順番にたどり、ここまで終えれば基本操作トラックへ進む準備が整います。

ラズパイのセットアップ、ライブUSBからのインストール、VPSの契約と、新しいLinuxマシンを手にする方法をいくつか見てきた。この章はその続き、「手にしたあと最初に何をするか」をまとめる仕上げの回だ。

どの入手経路を選んでも、初回にやることはほとんど共通している。順番にたどれば、ここから先の基本操作トラックにスムーズに進める状態が整う。

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たとえ新しいLinuxマシンの初期設定は、新居に引っ越したときの手続きに似ている。郵便物の転送設定、ライフラインの契約、表札の設置。1つずつは地味だが、済ませておくと後の生活がぐっと楽になる。

🔄 まずはパッケージを最新にする

新しく作られたイメージには、公開されてから今日までの間に見つかった不具合の修正が反映されていないことがある。だから最初の一手は、システム全体を最新の状態に整えることだ。

sudo apt update でパッケージの最新情報を取得し、続けて sudo apt upgrade で実際に個々のパッケージを新しいバージョンに入れ替える。この2つはセットで覚えておくとよい。
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ポイントupdate は「何が新しいか」を調べるだけの操作、upgrade は実際に「新しい版に入れ替える」操作。この2段階に分かれている理由を理解しておくと、片方だけ実行してしまうミスを防げる。
apt update最新情報を調べるだけ中身はまだ変わらないapt upgrade実際に入れ替えるここで中身が更新される

🕒 タイムゾーンを合わせる

海外のデータセンターに置かれるVPSなどでは、初期状態の時計がUTC(協定世界時)や別の地域の時間に設定されていることが多い。ログの時刻が実際の日本時間とずれていると、あとで原因調査の際に混乱のもとになる。

timedatectl set-timezone Asia/Tokyo と実行すると、システムの時刻設定が日本時間に切り替わる。設定後は timedatectl とだけ打てば、現在のタイムゾーンと時刻を確認できる。

つまずき時刻がずれたままだと、ログに記録される「いつ起きたか」の情報が信用できなくなる。何かのトラブルを後から調べる場面ほど、タイムゾーンのずれは地味に痛手になる。

🏷️ ホスト名をつける

初期状態のホスト名は ubuntu や raspberrypi のような汎用的な名前になっていることが多い。複数のマシンを扱うようになると、この汎用的な名前のままでは「今どれを操作しているか」を見失いやすい。

sudo hostnamectl set-hostname home-server のように、役割がわかる名前をつけておくと、ターミナルのプロンプトを見ただけで対象を判別できるようになる。

複数台のマシンを持つ予定があるなら、この段階で命名ルール(用途+番号など)を決めておくと、あとで増えたときに迷わない。

👤 普段使いのユーザーを作る

VPSなどでは初期状態でroot(管理者そのもの)のアカウントだけが渡されることがある。root のまま日常的に作業するのは事故のリスクが高いため、普段使い専用の一般ユーザーを作り、必要なときだけ管理者権限を借りる形にするのが定石だ。

sudo adduser tetsuji と打つと、対話形式でパスワードなどを聞かれながら新しいユーザー tetsuji が作られる。続けて sudo usermod -aG sudo tetsuji を実行すると、このユーザーがsudoグループに加わり、sudo をつければ管理者権限のコマンドも実行できるようになる。
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たとえrootで作業し続けるのは、家中の合鍵を持ったまま普段の外出をするようなものだ。普段は必要な部屋の鍵(sudo)だけを都度借りる形にしておけば、うっかりの被害を最小限に抑えられる。
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ポイント「root は普段使わない。sudoグループに入った一般ユーザーで作業し、必要な一瞬だけ sudo で権限を借りる」という考え方を、最小権限の原則と呼ぶ。ここで作った習慣は、この先ずっと役に立つ。
rootで直接作業すべてのコマンドが常に最大権限で実行ミスの被害が大きい一般ユーザー+sudo普段は一般権限必要な一瞬だけ権限を借用ミスの被害を抑えやすい

🔐 SSHを使うなら鍵認証へ

VPSのように公開されたサーバーを使う場合は、パスワードでのログインから、より安全な鍵認証への切り替えも視野に入れておきたい。鍵認証は、パスワードの代わりに手元の秘密鍵ファイルで本人確認をする仕組みで、総当たり攻撃に強い。

つまずき鍵認証への切り替えは、設定を誤るとログインできなくなるおそれがある操作でもある。この章では概要の紹介にとどめ、具体的な設定手順は別のトピックで詳しく扱う。

パスワード認証は、誰でも試せる暗証番号式の鍵だ。鍵認証は、世界に1つしかない合鍵を事前に渡しておく方式に近い。合鍵を持たない相手は、どれだけ数字を打ち込んでも扉を開けられない。

ラズパイのように自宅のネットワークの中だけで使う機械なら、パスワード認証のままでも実害は出にくい。一方でVPSのように世界に公開される機械では、鍵認証への切り替えを後回しにしないほうがよい。この判断基準を持っておくと、どの機械にどこまで手をかけるべきかで迷いにくくなる。

✅ ここまでで学ぶ準備完了

パッケージの更新、タイムゾーン、ホスト名、普段使いユーザーの4点を済ませれば、新しいLinuxマシンの土台は整ったといえる。あとは実際にコマンドを積み重ねて使い込んでいくだけだ。

この「Linuxをはじめる」トラックでは、Linuxを自分の環境に用意して動かすところまでを扱ってきた。ここから先は、基本操作トラックでファイル操作やコマンドの基礎を1つずつ身につけていく番になる。

コツ最初から完璧な設定を目指す必要はない。まずはこの章の4点だけ済ませて、あとは触りながら少しずつ整えていくくらいの気持ちで十分だ。

この項目に出てくる用語

初回設定チェックリストしょかいせっていちぇっくりすと
新しいLinuxマシンを手にしたときに最初に済ませておく、更新・時刻・名前・ユーザー作成などの一連の設定のこと。
最小権限の原則さいしょうけんげんのげんそく
普段は必要最小限の権限で作業し、管理者権限は必要なときだけ一時的に借りるという考え方のこと。

関連コマンド

addusertimedatectl

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