ネットワーク基礎の用語集(187語)
ネットワーク基礎に関する Linux 用語を、読み・意味・補足つきでまとめました。
/etc/hostsいーてぃーしー・ほすつ
名前とIPの対応をローカルに直接書く表。DNSより先に参照される。
開発時に例のドメインを自分のサーバへ向けるなど、手早い名前解決に使う。1行=IP 名前。
/etc/resolv.confりぞるぶこんふ
問い合わせ先DNSサーバを記述する設定ファイル。
nameserver 行に参照するDNSサーバのIPアドレスを書く。多くの環境では自動生成される。
3ウェイ・ハンドシェイクすりーうぇいはんどしぇいく
SYN・SYN/ACK・ACKの3回のやり取りでTCP接続を確立する手順。
TCPで通信を始める前に行う挨拶。クライアントがSYN、サーバがSYNとACK、クライアントがACKを返す3往復で、互いに送受信の準備が整ったことを確認する。この手順があるからTCPは信頼性の高い通信を実現できる。UDPにはこの手順がない。
ACKあっく
TCPで「ここまで受け取った」という確認応答を伝えるフラグ。
受信側は次に欲しいデータの番号をACK番号として返し、送信側は確認が返らないデータを再送する。TCPの信頼性は、この確認応答と再送の繰り返しで成り立っている。パケットキャプチャを見ると、接続確立後のほとんどのセグメントにACKが立っている。
AESえーいーえす
現在の標準的な共通鍵暗号アルゴリズム。無線LANやTLSで広く使われる。
米国の標準として採用された暗号で、十分な鍵長を使えば現実的な時間では解読できないとされる。WPA2/WPA3の無線LAN暗号化、HTTPSの通信、ディスク暗号化など登場場面は非常に多い。共通鍵暗号なので、鍵をどう共有するかは別の仕組みが必要になる。
ARPあーぷ
IPアドレスから相手のMACアドレスを調べるための仕組み。
Address Resolution Protocolの略。同じLAN内で「このIPの人、MACを教えて」とブロードキャストで問い合わせ、本人だけが返答する。得た対応はARPテーブルに保存され、ip neighで確認できる。
ARPあーぷ
IPアドレスから、同じLAN内の機器のMACアドレスを調べるプロトコル。
Address Resolution Protocolの略。LAN内で実際にフレームを届けるにはMACアドレスが必要なため、「このIPアドレスの機器はMACアドレスを教えて」とブロードキャストで尋ねる。結果はARPテーブルに一時保存され、arpやip neighコマンドで確認できる。
Aレコードえーれこーど
ドメイン名にIPv4アドレスを対応させるDNSの記録。
dig で問い合わせると ANSWER 欄に表示される。IPv6用は AAAA レコード。
BGPびーじーぴー
インターネット上の組織(AS)同士が経路情報を交換するためのルーティングプロトコル。
ISPや大企業などのAS同士が「このネットワーク宛はこちら経由で届く」と教え合うことで、世界規模のインターネットが1つにつながっている。経路の設定ミスや乗っ取りが世界的な障害につながった例もある。組織内で使うOSPFとはスケールと目的が違う。
CA証明書しーえーしょうめいしょ
認証局(CA)自身の正当性を示す証明書。他の証明書を信頼するための根拠になる。
ブラウザやOSにはあらかじめ信頼できるCAの証明書が組み込まれており、Webサイトのサーバ証明書はこれをたどって検証される。この信頼の連鎖の頂点がルートCA証明書。サーバ証明書と混同しやすいが、こちらは「保証する側」の証明書である。
CGNATしーじーなっと
通信事業者の設備で大規模にNATを行い、多数の契約者でグローバルIPを共有する方式。
IPv4アドレスの枯渇対策として、ISPが顧客をまとめてNAT配下に置く。自宅ルータに割り当てられるのがグローバルアドレスではなくなるため、外部から自宅への直接アクセスができなくなる。自宅サーバ公開やポート開放が効かない原因としてよく登場する。
CIDRさいだー
クラスに縛られず、「/24」のような桁数でネットワークを区切る方式。
Classless Inter-Domain Routingの略。かつてのクラスA/B/Cという固定的な区切りをやめ、「192.168.1.0/24」のようにネットワーク部の長さを自由に指定する。アドレスの無駄を減らせるため、現在のIPアドレス管理はこの方式が標準になっている。
CIDR表記さいだーひょうき
ネットワーク部のビット数を /数字 で表す書き方。
例: 192.168.1.0/24 は先頭24ビットがネットワーク部。255.255.255.0 と同じ意味。
CIDR表記さいだーひょうき
IPアドレスの後ろに/24のように、ネットワーク部の長さを書き添える表記法。
192.168.1.0/24なら先頭24ビットがネットワーク部という意味で、サブネットマスク255.255.255.0と同じ内容を短く表せる。クラスにとらわれず好きな長さで区切れるのが本来の意義。ipコマンドやクラウドの設定画面など、現代の実務ではこの表記が標準。
CSMA/CAしーえすえむえーしーえー
無線LANで衝突を「避けてから」送信する方式。電波では衝突の検知が難しいため使う。
有線のCSMA/CDは衝突を検知してやり直すが、無線では自分の送信中に他の電波を聞き取れず衝突を検知できない。そこで送信前にランダムな待ち時間を入れて衝突自体を回避する。CDが「検知」、CAが「回避」と覚えると混同しない。
CSMA/CDしーえすえむえーしーでぃー
有線LANで回線の空きを確認してから送信し、衝突したら待って再送する方式。
初期のイーサネットで使われた通信の交通整理の仕組み。送信中に他の機器との衝突(コリジョン)を検知すると、ランダムな時間待ってから再送する。現在主流のスイッチによる全二重通信では衝突自体が起きないため、ほぼ歴史的な用語になっている。
DHCPでぃーえいちしーぴー
IPアドレスなどのネットワーク設定を自動で割り当てる仕組み。
Dynamic Host Configuration Protocolの略。Discover・Offer・Request・ACKの4段階で、IPアドレス・ゲートウェイ・DNSをまとめて機器に貸し出す。割り当てには期限(リース期間)がある。
DHCPでぃーえいちしーぴー
ネットワークに参加した機器へ、IPアドレスなどの設定を自動で配る仕組み。
Dynamic Host Configuration Protocolの略。IPアドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイ・DNSサーバといった設定を、サーバが自動で貸し出す。家庭ではルータがこの役を担う。手動設定の静的IPと違い、アドレスには貸出期限(リース期間)がある。
digでぃぐ
DNSへの問い合わせを詳細に行える、Linux定番の調査コマンド。
ドメイン名に対応するIPアドレスやメールサーバ(MXレコード)などを、DNSの応答に近い形で詳しく表示する。問い合わせ先のサーバやレコードの種類を細かく指定できるため、DNSトラブルの調査ではnslookupより情報量が多く実務向き。
DNSでぃーえぬえす
ドメイン名とIPアドレスを対応付ける仕組み。
example.com のような名前をIPアドレスへ変換する。インターネットの電話帳にあたる。
DNSでぃーえぬえす
ドメイン名とIPアドレスを対応づける、インターネットの住所録の仕組み。
Domain Name Systemの略。人間が覚えやすい「example.com」のような名前を、通信に必要なIPアドレスへ変換する(名前解決)。世界中のDNSサーバが階層的に分担して動いている。Linuxではdigやnslookupコマンドで動作を確認できる。
DoHでぃーおーえいち
DNSの問い合わせをHTTPSに載せて暗号化する方式。盗聴や改ざんを防ぐ。
従来のDNSは平文のため、どのサイト名を調べたかが通信経路上で見えてしまう。DoHはHTTPS(443番ポート)に載せることでこれを防ぐ。ブラウザ単位で有効化できる手軽さがある一方、社内のDNS監視やフィルタリングが効かなくなるという運用上の論点もある。
ESSIDいーえすえすあいでぃー
無線LANのネットワークを識別する名前。Wi-Fiの接続先一覧に表示される。
複数のアクセスポイントの電波が飛び交う環境で、自分がつなぐべきネットワークを区別するための識別子。単にSSIDとも呼ばれる。名前を隠すステルス設定もあるが、それだけでは対策として不十分で、暗号化方式の設定が本質になる。
FINふぃん
TCPで通信の終了を相手に丁寧に申し出るためのフラグ。
双方がFINとACKを交わして接続を閉じるのが正常な終了手順で、片方向ずつ閉じるため半分だけ閉じた状態も存在する。エラー時などに即座に切断するRSTとの違いが混同されやすく、キャプチャでFINかRSTかを見ると切断の性質が分かる。
FQDNえふきゅーでぃーえぬ
ホスト名からトップレベルドメインまで省略なしで書いた完全な名前。
Fully Qualified Domain Nameの略。「www.example.com」のように、ホスト名とドメイン名をすべてつなげた完全表記を指す。単なる「www」のような省略形と区別するための用語で、サーバ設定や証明書の場面では正確なFQDNの指定が求められる。
FTPえふてぃーぴー
ネットワーク越しにファイルを転送するための古くからあるプロトコル。
File Transfer Protocolの略。サーバとの間でファイルをアップロード・ダウンロードするために使われてきた。通信が暗号化されず、パスワードも平文で流れるため、現在はSSHを利用するSFTPや、TLSで暗号化するFTPSへの置き換えが進んでいる。
FTPSえふてぃーぴーえす
従来のFTPをTLSで暗号化して安全にしたファイル転送プロトコル。
平文で流れるFTPの弱点を補うため、制御用とデータ用の通信をTLSで包む。既存のFTPサーバ資産を活かせる一方、使用ポートの構成が複雑でファイアウォールとの相性問題が起きやすい。SSHベースのSFTPとは別方式で、新規構築ではSFTPが選ばれることが多い。
HTTPえいちてぃーてぃーぴー
WebブラウザとWebサーバの間で、ページのデータをやり取りする規約。
HyperText Transfer Protocolの略。ブラウザが「このページをください」と要求し、サーバが応答を返すやり取りの形式を定める。標準ではポート80番を使う。通信内容が暗号化されないため、現在は暗号化版のHTTPSが主流になっている。
HTTPSえいちてぃーてぃーぴーえす
HTTPをTLSで暗号化し、盗聴や改ざんを防いで安全にした通信方式。
HTTPをTLS(SSL)で保護したもの。通信内容を暗号化し、さらに証明書で接続先が本物かを確認できる。標準ではポート443番を使う。URLが「https://」で始まり、ブラウザに鍵マークが表示されるサイトはこの方式で通信している。
HTTPステータスコードえいちてぃーてぃーぴーすてーたすこーど
Webサーバが返す3桁の応答番号。2xx成功・3xxリダイレクト・4xxクライアント側・5xxサーバ側。
200 OK / 301 移動 / 404 Not Found / 500 Internal Server Error が代表。curl -I で確認できる。
HTTPステータスコードえいちてぃーてぃーぴーすてーたすこーど
HTTP応答の結果を表す3桁の数字。200は成功、404は未発見を意味する。
先頭の数字で大分類され、2xxは成功、3xxはリダイレクト、4xxはクライアント側の誤り、5xxはサーバ側の障害を示す。Webの障害調査ではまずこのコードを確認する。404(存在しない)と403(閲覧禁止)、502と503の区別などが実務でよく問われる。
HTTPメソッドえいちてぃーてぃーぴーめそっど
HTTPリクエストで操作の種類を示す動詞。GETやPOSTなどがある。
ページの取得はGET、フォーム送信やデータ作成はPOST、更新はPUT、削除はDELETEというように、サーバに何をしたいかをメソッドで表す。Web APIの設計ではこの使い分けが基本になる。curlコマンドの-Xオプションでメソッドを指定して試せる。
ICMPあいしーえむぴー
到達確認やエラー通知に使う制御用プロトコル。
ping や traceroute が利用する。データ転送ではなくネットワークの状態確認が役割。
ICMPあいしーえむぴー
通信エラーの通知や到達確認など、IPを補助する連絡用のプロトコル。
Internet Control Message Protocolの略。「宛先に届かない」「時間切れ」などの通知を運ぶ、ネットワークの連絡係。疎通確認のpingや経路調査のtracerouteはICMPを利用している。データを運ぶ本体ではなく、制御・通知用という位置づけ。
IDSあいでぃーえす
ネットワークやホストへの不正なアクセスを検知して、管理者に知らせるシステム。
侵入検知システムの略で、通信を監視して攻撃らしいパターンを見つけると警告を出す。検知するだけで通信自体は止めない点が、遮断まで行うIPSとの違い。SnortやSuricataなどのオープンソース実装が有名。
IEEE 802.11あいとりぷるいーはちまるにーてんいちいち
無線LAN(Wi-Fi)の国際標準規格群。11a/11n/11axなどの世代がある。
IEEEが定めた無線LANの規格ファミリーで、末尾の文字で世代や特性が分かれる。802.11axにはWi-Fi 6という別名が付けられた。有線LANの規格である802.3(イーサネット)と対になる存在として覚えるとよい。
IMAPあいまっぷ
メールをサーバに置いたまま読む受信用プロトコル。複数端末での利用に向く。
メールボックスの本体はサーバ側にあり、スマホとPCのどちらで読んでも既読状態やフォルダ分けが同期される。端末にダウンロードして手元で管理するPOP3との違いが定番の比較点。現在は暗号化したIMAPS(993番ポート)での利用が基本。
IMAP4あいまっぷふぉー
メールをサーバに置いたまま、複数の端末から読み書きできる受信方式。
Internet Message Access Protocolの略。メールをサーバ上で管理し、端末からは閲覧しにいく方式なので、パソコンとスマホで既読状態やフォルダ分けを共有できる。端末にダウンロードして取り込むPOP3との違いがよく問われる。
ip コマンドあいぴーこまんど
LinuxでIPアドレスや経路などのネットワーク設定を扱う基本コマンド。
「ip addr」でアドレス確認、「ip route」で経路表、「ip link」でインターフェースの状態と、ネットワーク管理の中心になるコマンド。古いifconfigやrouteコマンド(net-tools)の後継で、現在のLinuxではこちらを使うのが標準。
iproute2あいぴーるーとつー
Linuxの現行標準のネットワーク設定ツール群。ipコマンドなどを含む。
アドレス確認のip addr、経路表のip route、ソケット状態のssなどをまとめたパッケージ。ifconfigやrouteといったnet-tools系の旧コマンドの後継で、新しいディストリビューションには旧コマンドが入っていないことも多い。まずipコマンドに慣れるのが現代流。
IPSあいぴーえす
不正な通信を検知し、その場で自動的に遮断まで行う侵入防止システム。
IDSが「見つけて知らせる」までなのに対し、IPSは通信経路上に置かれ危険なパケットをその場で止める。防御は強力だが、誤検知すると正常な通信まで遮断してしまうため、検知ルールの調整が運用の鍵になる。
IPSecあいぴーせっく
IP層で通信を丸ごと暗号化・認証するプロトコル群。VPNの土台として広く使われる。
パケットをIP層で暗号化するため、上位のアプリケーションを変更せずに通信全体を守れる。拠点間VPNの標準技術として定番。TLSがアプリ寄りの層で通信を守るのに対し、IPsecはより低い層でネットワーク全体を守る点が違い。
IPsec-VPNあいぴーせっくぶいぴーえぬ
IPsecで暗号化したトンネルを張り、拠点間などを安全に結ぶVPN方式。
本社と支社のネットワーク同士をインターネット越しに専用線のようにつなぐ用途で定番。ルータやVPNゲートウェイ同士が暗号化トンネルを張る。ブラウザだけで使いやすいSSL-VPNと違い、機器やOS側の設定が必要になることが多い。
IPv4あいぴーぶいふぉー
32ビットのアドレスを使う、現在も広く使われているIPの第4版。
アドレスを32ビットで表すため約43億個しか作れず、新規割り当ての在庫はすでに枯渇している。それでもNATやプライベートアドレスの活用で延命され、現在も主流であり続けている。後継のIPv6と併用される移行期が長く続いている。
IPv6あいぴーぶいしっくす
128ビットのアドレスを使う、アドレス枯渇を解決するIPの新しい版。
IPv4のアドレス不足を解決するために作られ、アドレスを128ビットで表すので事実上無尽蔵に割り当てられる。「2001:db8::1」のように16進数とコロンで表記する。IPv4とは互換性がなく、両方を並行して使うデュアルスタック運用が一般的。
IPアドレスあいぴーあどれす
ネットワーク上の機器を識別する番号。
IPv4では192.168.1.10のように0〜255の数字4つで表す。ネットワーク部とホスト部に分かれる。
IPアドレスあいぴーあどれす
ネットワーク上の機器を識別するために割り当てる、番号でできた住所。
パケットの宛先や送信元を示す、機器ごとの識別番号。IPv4では「192.168.1.1」のように32ビットを4つの数字で表す。ネットワークを示す部分とホストを示す部分に分かれ、その境目を示すのがサブネットマスク。機器固有のMACアドレスとの違いに注意。
IPマスカレードあいぴーますかれーど
多数の内部端末が1つのグローバルIPアドレスを共有して外部と通信する仕組み。
IPアドレスに加えてポート番号も変換することで、家中の端末が1つの契約アドレスでインターネットを使える。一般名はNAPTで、IPマスカレードは主にLinuxでの呼び名。外部から内部への接続は変換表に無いため始められず、これが簡易的な防御にもなる。
ISPあいえすぴー
家庭や会社をインターネットに接続してくれる通信サービス事業者。
Internet Service Providerの略で、いわゆる「プロバイダ」。契約者の回線をインターネットへつなぎ、グローバルIPアドレスの割り当てやメールなどのサービスを提供する。光回線などの回線事業者とは契約上別の会社、という構成もある。
LANらん
家庭やオフィスなど、限られた範囲の中に構築するネットワーク。
Local Area Networkの略。1つの建物やフロアなど狭い範囲の機器をつなぐネットワークで、有線LAN(イーサネット)と無線LAN(Wi-Fi)がある。広い地域を結ぶWANと対になる言葉で、自宅のルータの内側はすべてLANと考えてよい。
LISTEN / ESTABLISHEDりっすん・えすたぶりっしゅど
ソケットの状態。LISTENは接続待ち受け中、ESTABLISHEDは接続が確立して通信中。
TIME_WAITは切断後の残り。ss -t で状態列を見ると通信の「今」が読める。
localhostろーかるほすと
自分自身のコンピュータを指す特別なホスト名。IPアドレスは127.0.0.1。
通信相手として自分自身を指定するための名前で、IPv4では127.0.0.1、IPv6では::1に対応する。この宛先への通信はネットワークに出ず、マシン内部で折り返す(ループバック)。開発中のWebアプリを手元で動かして確認するときによく使う。
MACアドレスまっくあどれす
ネットワーク機器に固有のハードウェア識別番号。
00:1a:2b:3c:4d:5e のような形式。同一ネットワーク内での宛先指定に使われる。
MACアドレスまっくあどれす
ネットワーク機器の口ごとに焼き付いた48ビットの識別番号。
12:34:56:78:90:ABのように16進数で表す48ビットの番号。前半はメーカー識別子(OUI)、後半は製品ごとの通し番号。同じLAN内で相手を特定するのに使い、ip link showで確認できる。
MACアドレスまっくあどれす
ネットワーク機器に製造時から付いている、世界で一意の物理アドレス。
NICごとに割り当てられた48ビットの識別番号で、「aa:bb:cc:dd:ee:ff」のように16進数で表す。同じLAN内でフレームを届ける宛先として使われる。ネットワーク構成で変わるIPアドレスと違い原則ハードウェア固有だが、近年はプライバシー保護のための乱数化機能もある。
MACアドレステーブルまっくあどれすてーぶる
スイッチが「どのポートの先にどのMACアドレスがいるか」を覚えておく表。
スイッチは受信フレームの送信元MACアドレスとポートの対応を記録して学習し、宛先が表にあればそのポートだけへ転送する。これが全ポートに流すリピータハブとの決定的な違いで、無駄な転送と盗聴のリスクを減らす。表に無い宛先はフラッディングで全ポートへ送る。
MIMEまいむ
メールで画像や添付ファイルなど、文字以外のデータを扱うための規格。
元々のメールはASCII文字しか運べなかったため、画像や日本語などをテキスト形式に変換して運ぶルールとして生まれた。データの種類をContent-Typeで示す仕組みはHTTPにも受け継がれ、「text/html」のような表記をWebの世界でも目にする。
mtrえむてぃーあーる
pingとtracerouteを合わせたように、経路の品質を連続測定するツール。
宛先までの経路上にある各ルータへ継続的に測定を行い、区間ごとのパケットロス率や遅延を一覧で表示する。どの区間で品質が悪化しているかを特定しやすく、「ネットが時々遅い」といった調査で威力を発揮する。Linuxではパッケージから簡単に導入できる。
MTUえむてぃーゆー
一度に送れるパケットの最大サイズ。イーサネットでは1500バイト。
Maximum Transmission Unitの略。回線や機器が一度に運べるデータの上限サイズで、これを超えるパケットは分割(フラグメント化)されるか破棄される。VPNなどで実効MTUが小さくなると、「pingは通るのに大きなデータだけ失敗する」型のトラブルの原因になる。
NATなっと
プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを変換する仕組み。
Network Address Translationの略。家庭や社内のプライベートアドレスを、インターネットで通用するグローバルアドレスに変換して通信させる。1つのグローバルアドレスを多数の機器で共有する方式(NAPT/IPマスカレード)が一般的で、IPv4アドレス枯渇の延命策にもなっている。
NAT / NAPTなっと/なぷと
内側の住所と外向きの住所を橋渡しして共有する仕組み。
Network Address Translationの略。ルータが送信元のプライベートIPをグローバルIPに書き換えて外へ通す。ポート番号も組み合わせて複数機器を1つのグローバルIPで通すのがNAPT(IPマスカレード)。
NICにっく
コンピュータをネットワークにつなぐためのインターフェース部品。
Network Interface Cardの略で、有線LANポートや無線LANアダプタの実体。1枚ごとに固有のMACアドレスを持つ。現在はマザーボードに組み込み済みのことが多い。Linuxでは「ip link」コマンドで、eth0やenp3s0といった名前で確認できる。
nslookupえぬえするっくあっぷ
DNSサーバに問い合わせて、名前解決の結果を確認するコマンド。
ドメイン名からIPアドレス(またはその逆)を調べるツールで、LinuxにもWindowsにも標準で入っている。名前解決の失敗が疑われるときの定番の確認手段。Linuxでは、より詳しい情報が得られるdigコマンドの利用が推奨されることも多い。
NTPえぬてぃーぴー
ネットワーク経由でコンピュータの時計を正確に合わせるプロトコル。
Network Time Protocolの略。正確な時刻を持つサーバに問い合わせて、機器の時計のずれを補正する。ログの時刻照合や証明書の有効期限判定など、時刻が狂うと困る場面は多い。Linuxではsystemd-timesyncdやchronyが時刻同期を担当する。
OP25Bおーぴーにじゅうごびー
ISPが外向きの25番ポート通信を遮断する迷惑メール対策。
Outbound Port 25 Blockingの略。ウイルスに感染したPCが勝手に迷惑メールを大量送信するのを防ぐため、プロバイダ網から外部の25番ポートへの直接通信を止める。自宅サーバからメールが送れない場合の代表的な原因で、587番と認証を使うのが正しい対処。
OSI参照モデルおーえすあいさんしょうもでる
通信の役割を7つの層に分けて整理した考え方の地図。
上からアプリケーション・プレゼンテーション・セッション・トランスポート・ネットワーク・データリンク・物理の7層。上ほど人に近く、下ほど機械に近い。実装というより整理の枠組みとして使う。
OSI参照モデルおーえすあいさんしょうもでる
通信の機能を7つの層に分けて整理した、ネットワークの共通の設計図。
物理層からアプリケーション層まで、通信に必要な機能を7階層に分けたモデルで、ISOが標準化した。「レイヤ2スイッチ」「L3」といった呼び方の土台になっている。実際のインターネットは4階層のTCP/IPモデルで動くが、説明にはOSIの層番号がよく使われる。
OSPFおーえすぴーえふ
リンクステート型の代表的なルーティングプロトコル。企業ネットワークで広く使われる。
各ルータがネットワーク全体の地図を共有し、そこから最短経路を計算して経路を決める。回線速度をコストとして扱うため、ホップ数だけで決める古いRIPより合理的な経路を選べる。組織内部用のプロトコルで、組織間を結ぶBGPとは役割が異なる。
pingぴんぐ
相手へ小さな信号を送り到達と応答時間を測る確認手段。
ICMPを用いる。応答が返れば到達可能、返らなければ経路や相手側の問題が疑われる。
pingぴんぐ
相手にICMPで応答を求め、ネットワークの疎通を確かめる基本コマンド。
ICMPのEcho Requestを送り、Echo Replyが返るかで疎通と応答時間を確認するコマンド。トラブル時は「まずping」が定石で、自分自身→デフォルトゲートウェイ→外部の順に試すと問題の場所を絞れる。相手側がICMPを遮断していると、正常でも応答がない点に注意。
PoEぴーおーいー
LANケーブル1本で、データ通信と電力供給を同時に行う技術。
電源工事が難しい天井のアクセスポイントや監視カメラ、IP電話への給電で使われる。給電はPoE対応スイッチやインジェクタが担う。供給できる電力によってPoE/PoE+/PoE++と規格が分かれ、受電する機器の消費電力との対応確認が導入時のポイントになる。
POP3ぽっぷすりー
メールサーバから自分の端末へメールをダウンロードして受信する方式。
Post Office Protocol version 3の略。サーバのメールボックスからメールを端末に取り込む受信用プロトコルで、標準ポートは110番。ダウンロード後はサーバから消す使い方が基本のため、複数の端末で同じメールを見たい場合はIMAPのほうが向いている。
Proxyサーバぷろきしさーば
クライアントの代理としてインターネットへアクセスする中継サーバ。
社内からのWeb閲覧を一旦集約し、URLフィルタリングやアクセス記録、キャッシュによる高速化を行う用途が典型。逆にサーバ側の手前に置いて負荷分散などを行うものはリバースプロキシと呼ばれ、守る対象の向きが逆である点を区別する。
QUICくいっく
UDPの上に構築された高速なトランスポートプロトコル。HTTP/3の土台になる。
TCPの「接続確立に往復時間がかかる」「1つの詰まりが全体を止める」といった弱点を解消するために開発され、標準化された。TLSによる暗号化を最初から組み込んでいる。UDPだから信頼性が無いのではなく、再送や順序制御を自前で実装している点が誤解されやすい。
RAあーるえー
IPv6でルータが「このネットワークの情報」を端末へ知らせるメッセージ。
ルータ広告(Router Advertisement)の略で、ネットワークのプレフィックスやデフォルトゲートウェイの情報をルータが定期的に流す。端末はこれを受け取り、SLAACで自分のアドレスを自動生成する。DHCPサーバなしでも設定が進むのがIPv4との大きな違い。
RFCあーるえふしー
インターネット技術の仕様を番号付き文書として定めて公開している文書群。
Request for Commentsの略。TCPやHTTPなどインターネットの標準仕様は、IETFが発行するRFCという番号付きの文書で公開されており、誰でも無料で読める。「RFCで決まっている」と言えば、インターネットの公式な取り決めという意味になる。
RSTあーるえすてぃー
TCP接続を強制的に打ち切るフラグ。異常終了や接続拒否の合図になる。
閉じているポートへ接続しようとしたときや、アプリケーションが異常終了したときにRSTが返される。FINによる正常な終了と違い、その場で接続が破棄される。「Connection reset by peer」というエラーは、このRSTを受け取ったことを意味している。
Sambaさんば
LinuxをWindows向けのファイルサーバとして振る舞わせるソフトウェア。
Windowsのファイル共有で使われるSMBプロトコルをLinux上で実装したもので、Linuxサーバのフォルダを、Windowsから普通の共有フォルダとして利用できる。市販NASの中身としても広く使われている。名前はSMBに母音を足した言葉遊びに由来する。
SFTPえすえふてぃーぴー
SSHの暗号化された通信路を使って、ファイルを安全に転送するプロトコル。
SSH(22番ポート)の上で動くため、パスワードもファイルの中身も暗号化されて流れる。サーバへのファイル配置やバックアップ転送の定番手段。名前が似たFTPS(FTP+TLS)とは全くの別物で、こちらはFTPを使っていない点が混同ポイント。
SLAACすらーく
IPv6の端末がRAの情報をもとに、自分のアドレスを自動生成する仕組み。
ステートレスアドレス自動設定の略。ルータが広告するプレフィックスに端末側で生成した値を組み合わせ、DHCPサーバなしでアドレスが決まる。どの端末がどのアドレスを使ったかサーバ側に記録が残らない点が、DHCPv6との使い分けの論点になる。
SMBプロトコルえすえむびーぷろとこる
Windowsのファイル共有やプリンタ共有で使われる通信プロトコル。
エクスプローラーで共有フォルダを開くときに裏で動いているのがSMBで、445番ポートを使う。古いバージョンのSMBv1は脆弱性を突かれた被害が大きく、現在は無効化が推奨される。LinuxではSambaがこのプロトコルを実装している。
SMTPえすえむてぃーぴー
電子メールをサーバへ送信し、サーバ間で転送するためのプロトコル。
Simple Mail Transfer Protocolの略。メールソフトからメールサーバへの送信や、サーバ同士の転送に使われる。標準ポートは25番だが、迷惑メール対策のため利用者の送信には587番(サブミッションポート)を使うのが一般的。受信用のPOP3やIMAPとの役割分担に注意。
ssえすえす
Linuxで通信中の接続や待ち受け中のポートを一覧表示するコマンド。
「ss -tuln」のように使い、どのポートでどのプログラムが待ち受けているか、どんな接続が張られているかを確認できる。古いnetstatコマンドの後継で、iproute2パッケージに含まれる。サーバが正しく起動しているかの確認に頻出する。
SSHえすえすえいち
暗号化された安全なリモート接続。遠隔のサーバにログインしてコマンドを実行できる。
ssh でログイン、scp/rsync で転送。公開鍵認証にするとパスワード不要かつ安全。既定ポートは22。
SSHえすえすえいち
通信を暗号化して、離れたコンピュータへ安全にログインする仕組み。
Secure Shellの略。ネットワーク越しにサーバへログインしてコマンド操作するためのプロトコルで、通信全体が暗号化される。標準ポートは22番。平文で通信する古いTELNETの安全な後継であり、Linuxサーバの管理はほぼSSH経由で行われる。
SSIDえすえすあいでぃー
無線LANのアクセスポイントが発信する、ネットワークを見分けるための名前。
スマホのWi-Fi設定画面に並ぶネットワーク名がこれにあたる識別名で、最大32文字。同じSSIDと暗号化キーを設定した機器同士が同じ無線LANに参加する。名前を隠すステルス設定もあるが、それだけでは十分な安全対策にならない。
SSLえすえすえる
通信を暗号化する技術の旧名称。現在使われている実体は後継のTLS。
Secure Sockets Layerの略で、Webなどの通信を暗号化するために作られた技術。脆弱性が見つかり、現在は後継のTLSに置き換えられている。ただ名前が広く定着しているため、「SSL証明書」「SSL化」のように、実際はTLSを指してSSLと呼ぶ場面が今も多い。
SSL-VPNえすえすえるぶいぴーえぬ
TLS(SSL)の暗号化を利用して、外から社内ネットワークへ安全に入るVPN方式。
HTTPSと同じ暗号化技術を使うため、ブラウザがあれば専用機器なしで利用しやすい。在宅勤務で社内システムへ接続する場面でよく使われる。拠点間の常時接続が得意なIPsec-VPNに対し、個人が外から入るリモートアクセス用途に向く。
STARTTLSすたーとてぃーえるえす
平文で始めた接続を、途中からTLSによる暗号化通信に切り替える仕組み。
SMTPやIMAPなどで、まず普通に接続してから「ここから暗号化しよう」と合意して暗号通信へ移行する。最初から暗号化前提のポートに接続するSMTPS(465番)などとは方式が異なる。切り替え前は平文である点と、切り替えを妨害する攻撃がある点に注意。
SYNしん
TCPで接続の開始を要求するフラグ。3ウェイハンドシェイクの最初に送られる。
TCPの接続はSYN、SYN+ACK、ACKの3回のやり取りで確立される。サーバに未完了の接続を大量に抱えさせるSYNフラッド攻撃という悪用もある。ポートスキャンでは、SYNへの応答の違いからポートが開いているかどうかを判定している。
TCPてぃーしーぴー
接続を確立し、データの到達と順序を保証する信頼性重視の通信方式。
Transmission Control Protocolの略。3ウェイハンドシェイクで接続を確立し、届かなかったデータの再送や順序の並べ直しを行う。Webやメールなど確実に届けたい通信のほとんどで使われる。速度優先で保証のないUDPとの対比で理解するのが基本。
TCP/IP 4階層モデルてぃーしーぴーあいぴーよんかいそうもでる
実際のインターネットで使われる、通信を4つの階層に分けたモデル。
上からアプリケーション層・トランスポート層・インターネット層・ネットワークインターフェース層。OSIの上位3層をアプリケーション層にまとめた形で、HTTP・TCP・IP・Ethernetなどが各層に対応する。
TCP/UDPてぃーしーぴーゆーでぃーぴー
通信方式の2種類。確実なTCPと、高速・軽量なUDP。
TCPは到達と順序を保証し再送も行う。UDPは確認せず送りっぱなしで、音声・動画やDNSに向く。
tcpdumpてぃーしーぴーだんぷ
ターミナル上でパケットをキャプチャして中身を表示するLinuxコマンド。
NICを流れるパケットを捕まえて内容を表示する、Linux定番のパケットキャプチャツール。「port 80」のような条件式で対象を絞り込める。GUIのないサーバでも使えるのが強みで、採取したデータをWiresharkで開いて詳しく分析する使い方も多い。
TCPIPてぃーしーぴーあいぴー
インターネットを支えるプロトコル群の総称。TCPとIPが中心。
TCP/IPと表記される、インターネット標準のプロトコル一式。リンク層・インターネット層・トランスポート層・アプリケーション層の4階層で整理される。OSI参照モデルが理論的な7階層なのに対し、こちらは実際に世界中で動いている体系。
TELNETてるねっと
遠隔のコンピュータにログインして操作する、暗号化されない古い仕組み。
遠隔ログインのための古典的なプロトコルで、標準ポートは23番。通信もパスワードも平文で流れるため、現在の遠隔操作にはSSHを使うのが常識。ただしtelnetコマンド自体は「指定ポートにつながるか」を確かめる簡易テストに今でも使われることがある。
TLSてぃーえるえす
通信の暗号化と相手の確認を行う、SSLの後継となる標準技術。
Transport Layer Securityの略。通信内容の暗号化、改ざんの検知、証明書による相手の本人確認を提供する。HTTPSやメールの暗号化など、安全な通信の土台として幅広く使われる。SSLの後継だが、慣習的にSSLという呼び名も残っている。
tracerouteとれーするーと
宛先までにどのルータを経由しているかを順番に一覧表示するコマンド。
TTLを1から順に増やしたパケットを送り、途中のルータから返ってくる「時間切れ」の通知を利用して経路を割り出す。どの地点で通信が止まっているかの切り分けに使う。Linuxではtraceroute、Windowsではtracertと、コマンド名が異なる。
TTLてぃーてぃーえる
パケットが経由できるルータ数の上限。ゼロになると破棄される値。
Time To Liveの略。IPパケットのヘッダにあり、ルータを1つ通過するごとに1減って、0になるとそのパケットは捨てられる。経路のループでパケットが永遠に回り続ける事故を防ぐ仕組み。tracerouteはこのTTLをわざと小さくして経路を調べている。
UDPゆーでぃーぴー
接続確立や再送の手続きを省き、速さを優先した軽量な通信方式。
User Datagram Protocolの略。TCPのような接続確立や再送の仕組みがなく、送りっぱなしで通信する。その分軽くて速いので、動画配信・音声通話・DNSの問い合わせなど、多少のデータ欠落よりも遅延の少なさが大事な用途で使われる。
URLゆーあーるえる
どの方式で・どのサーバの・どの資源かを表す、インターネット上の住所。
Uniform Resource Locatorの略。「https://example.com/index.html」のように、プロトコル・ホスト名・パスを組み合わせて資源の場所を一意に示す。ドメイン名はURLの一部であって同じものではない、という区別を押さえておきたい。
VLANぶいらん
1台のスイッチの中を、仮想的に複数のネットワークに分割する技術。
Virtual LANの略。物理的な配線を変えずに、スイッチの設定でポートやIDごとにネットワークを論理的に分けられる。部署ごとの分離やゲスト用ネットワークの隔離などに使う。分割したVLAN同士が通信するには、ルータかL3スイッチが必要になる。
VLAN IDぶいらんあいでぃー
VLANを識別するための番号。フレームにタグとして付けて所属を区別する。
1〜4094の範囲の番号が使われ、IEEE 802.1Qで定められたタグとしてイーサネットフレームに埋め込まれる。1台のスイッチ上に部署用・来客用など複数の仮想LANを共存させ、スイッチ間はタグ付きの1本のケーブル(トランク)でまとめて運べる。
VPNぶいぴーえぬ
インターネットなど公衆回線の上に、暗号化された仮想の専用線をつくる技術。
Virtual Private Networkの略。インターネットなど共用の回線上に暗号化されたトンネルを作り、あたかも専用線のように安全に通信する。外出先から会社のネットワークへ安全に接続するリモートアクセスなどで広く使われている。
WAFわふ
Webアプリケーションを狙った攻撃をHTTPの中身まで見て防ぐ専用ファイアウォール。
SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなど、Webアプリの弱点を突く攻撃を遮断する。ポートやアドレス単位で制御する通常のファイアウォールでは防げない層を守る。クラウド型サービスとして手軽に導入されることも多い。
WANわん
本社と支社のように離れた拠点同士を結ぶ、広い地域にまたがるネットワーク。
Wide Area Networkの略。本社と支社のように地理的に離れたLAN同士を、通信事業者の回線を使って結ぶネットワークを指す。家庭用ルータの「WANポート」は、インターネット側の回線をつなぐ差し込み口という意味で使われている。
WEPうぇっぷ
初期の無線LAN暗号化規格。すでに短時間で解読可能で、使ってはいけない。
無線LANの盗聴対策として最初に普及したが、暗号方式の欠陥により短時間で鍵を割り出せることが判明した。現在は使用禁止レベルの旧規格で、WPA2やWPA3への移行が必須。古い機器の設定画面に選択肢として残っていても選んではいけない。
Wi-Fiわいふぁい
無線LAN機器が相互接続できることを示すブランド名。無線LANの通称。
IEEE802.11規格の無線LAN機器について、業界団体Wi-Fi Allianceが相互接続性を認証したことを示す名称。現在では無線LANそのものの通称として定着した。Wi-Fi 6のような世代名は、802.11axなどの規格名を分かりやすく言い換えたもの。
Wi-Fi6わいふぁいしっくす
IEEE 802.11axの別名。多数の端末が同時接続しても速度が落ちにくい世代。
OFDMAという技術で複数端末へ同時に電波を割り当てられるため、家族全員がつなぐ家庭や混雑したオフィスでも性能が落ちにくい。規格名の802.11axでは分かりにくいため、世代番号で呼ぶ命名が導入された。後継にWi-Fi 6EやWi-Fi 7がある。
Wiresharkわいやーしゃーく
パケットの中身を画面で詳しく分析できる定番のキャプチャソフト。
キャプチャしたパケットを層ごとに色分け・分解して表示してくれるGUIツール。フィルタで特定の通信だけを追いかけられる。プロトコルの学習にも実務のトラブル解析にも使われる。他人の通信を無断で採取してはいけない点には注意が必要。
WPAだぶりゅーぴーえー
WEPの弱点を改善した無線LANのセキュリティ規格。現在の最新はWPA3。
WEPの脆弱性を受けて登場し、WPA2でAES暗号が標準となって長く使われてきた。最新のWPA3ではパスワード推測攻撃への耐性がさらに強化されている。家庭のWi-FiルータでもWPA2以上を選ぶのが最低ラインとなる。
アクセスポイントあくせすぽいんと
無線LANの端末を電波で受け入れ、有線ネットワークへ中継する装置。
スマホやPCはまずアクセスポイントに接続し、そこから有線LANやインターネットへ出て行く。家庭用Wi-Fiルータはルータ機能とアクセスポイント機能が一体になった機器。設置場所や電波の重なり具合が通信品質を大きく左右する。
アプリケーション層あぷりけーしょんそう
HTTPやDNSなど、アプリが直接使う通信サービスを担当する最上位の層。
通信モデルの一番上にあり、WebのHTTP、メール送信のSMTP、名前解決のDNSなど、利用者の目的に直結するプロトコルが属する層。下の層が「データを届ける」役割なのに対し、この層は「届けたデータで何をするか」を決める。
イーサネットいーさねっと
有線LANの事実上の標準規格。フレームの形式や配線の仕様を定める。
LANケーブルを使った有線ネットワークの標準規格で、IEEE802.3として標準化されている。データをフレームという単位で送り、宛先はMACアドレスで指定する。1Gbpsや10Gbpsなど速度の異なる規格が、同じ基本の仕組みの上に積み重なっている。
インターネットいんたーねっと
世界中のネットワーク同士を相互につないだ、地球規模のネットワーク。
各国のプロバイダや組織のネットワークが相互接続してできた巨大なネットワーク。共通のルールであるTCP/IPを使うことで、メーカーや国が違う機器同士でも通信できる。Webはインターネット上で動くサービスの1つであり、両者は同じものではない。
ウィンドウ・サイズうぃんどうさいず
TCPで確認応答を待たずに送ってよいデータ量。流量制御に使われる。
受信側が「あとこれだけ受け取れる」と通知し、送信側はその範囲までまとめて送れる。値が大きいほど効率が良いが、受信側の処理が追いつかないと0になり送信が止まる。遅延の大きい回線で速度が出ない原因を探るときにも登場する値。
ウェルノウンポートうぇるのうんぽーと
用途が広く決まっている0〜1023番のポート。
HTTP=80、HTTPS=443、SSH=22、DNS=53 など。慣習として主要サービスに割り当てられている。
ウェルノウンポートうぇるのうんぽーと
主要サービス用にあらかじめ決められた0〜1023のポート番号。
HTTP=80、HTTPS=443、SSH=22、DNS=53、SMTP=25などが該当する。番号が固定されているため、クライアントは相手に確認せず定番のポートへ接続できる。
ウェルノウンポート番号うぇるのうんぽーとばんごう
0〜1023番に割り当てられた、主要サービス用の予約済みポート番号。
HTTPの80、HTTPSの443、SSHの22のように、広く使われるサービス向けにあらかじめ割り当てられた0〜1023番のポート。サーバ側はこの番号で待ち受けるのが慣例で、Linuxではこの範囲のポートで待ち受けるのに管理者権限が必要になる。
エフェメラルポートえふぇめらるぽーと
クライアント側が接続のたびに一時的に使う、番号の大きいポート。
サーバは80番や443番など決まったポートで待つが、クライアント側の送信元ポートはOSが空いている高い番号(Linuxでは32768〜60999あたり)から自動で割り当てる。「はかない」という意味の名前どおり、接続が終われば解放されて再利用される。
カプセル化かぷせるか
データが層を降りるたびにヘッダで包んでいく仕組み。
アプリのデータにトランスポート・IP・Ethernetの各ヘッダを順に付け足して送出できる形にすること。受信側は逆順にヘッダを外していく(非カプセル化)。層ごとに宛名や制御情報が入れ子になる。
カプセル化かぷせるか
上の層のデータにヘッダを付けて、下の層の形式で包んでいく処理。
送信時、アプリのデータにTCPヘッダ、IPヘッダ、イーサネットヘッダが順に付け足されて送り出される。この包み込みがカプセル化で、受信側は逆の順序で開いていく。階層モデルが実際にどう動くのかを理解する鍵になる考え方。
クライアントくらいあんと
サーバに要求を送り、サービスを受け取る側のコンピュータやソフト。
Webブラウザやメールソフトのように、サーバへ「これをください」と要求を出す側を指す。1台のマシンが、ある通信ではクライアント、別の通信ではサーバというように、場面によって役割が入れ替わることもある。
グローバルIPアドレスぐろーばるあいぴーあどれす
インターネット上で一意に決まり、世界中と直接通信できるIPアドレス。
インターネット全体で重複しないよう、管理団体を通じて割り当てられるアドレス。プロバイダとの契約により自宅のルータなどに割り当てられる。LAN内だけで通用するプライベートIPアドレスとの対比で理解する用語で、外部にサーバを公開するときに必要になる。
サーバさーば
ネットワーク越しに、他のコンピュータへサービスを提供する側のコンピュータ。
Webページを返すWebサーバ、メールを扱うメールサーバのように、要求を受けて機能を提供する側を指す。専用の高性能マシンを指すこともあるが、本質は「サービスを提供する役割」のこと。Linuxはサーバ用のOSとして世界中で広く使われている。
サブネットマスクさぶねっとますく
IPアドレスのどこまでがネットワーク部かを示す値。
例: 255.255.255.0。1のビット部分がネットワーク部を表す。CIDRでは /24 のように書く。
サブネットマスクさぶねっとますく
IPアドレスのどこまでがネットワーク部かを示す32ビットの値。
「255.255.255.0」のように表し、IPアドレスをネットワーク部とホスト部に区切る境界を示す。これにより通信相手が同じネットワーク内か、ルータ越しかを判断できる。CIDR表記の「/24」は、サブネットマスクをビットの桁数で表したもの。
サブミッションポートさぶみっしょんぽーと
メールソフトがメールを送信するときに使う専用ポート。587番が使われる。
送信に25番ポートを使うと迷惑メール対策のOP25Bで遮断されるため、利用者からの投稿(サブミッション)は認証付きの587番で受け付ける。サーバ間の配送には今も25番が使われる。最初からTLSで包む465番(SMTPS)も送信用として併用される。
スイッチングハブすいっちんぐはぶ
宛先のMACアドレスを見て、必要なポートだけにデータを送る集線装置。
LAN内で複数の機器をつなぐ機器。届いたフレームの宛先MACアドレスを学習し、関係するポートだけに転送するので無駄な通信が減る。全ポートにデータを垂れ流す昔のリピータハブと違い、現在のLANではほぼこの方式が使われている。
スタティックルーティングすたてぃっくるーてぃんぐ
管理者が手作業で経路をルーティングテーブルに書き込む方式。
経路が単純で変化の少ない小規模ネットワークに向き、動作が予測しやすく余計な通信も発生しない。一方、障害時に自動で迂回せず、ネットワークが増えるたびに手作業が必要になる。規模が大きくなるとダイナミックルーティングとの併用が現実解になる。
スパニングツリープロトコルすぱにんぐつりーぷろとこる
スイッチをループ状に接続しても、フレームの無限循環を防ぐ仕組み。
LANにループができるとブロードキャストが回り続けてネットワーク全体が停止する(ブロードキャストストーム)。STPはループの一部のポートを自動で遮断して論理的な木構造を作り、障害時にはそこを開いて迂回路にする。高速化した改良版のRSTPが現在の主流。
ゼロトラストぜろとらすと
「社内だから安全」とみなさず、すべてのアクセスを毎回検証するセキュリティの考え方。
従来の境界型防御は、社内ネットワークに入れば信頼される前提だったが、クラウド利用や在宅勤務でその境界が崩れた。ゼロトラストでは利用者・端末・通信を場所にかかわらず常に認証・検証する。特定の製品名ではなく設計思想である点に注意。
ソケットそけっと
通信の出入口。IPアドレスとポート番号の組で、どのプログラムのどの通信かを表す。
ss や lsof で、開いているソケットと状態(LISTEN/ESTABLISHED)を確認できる。
ダイナミックルーティングだいなみっくるーてぃんぐ
ルータ同士が経路情報を自動で交換し、経路表を自動更新していく方式。
RIPやOSPF、BGPといったルーティングプロトコルを使い、障害が起きると自動で迂回経路に切り替わる。大規模ネットワークでは必須の仕組み。便利な反面、設定ミスが広範囲に伝わる怖さもあり、スタティックルーティングとの使い分けが設計の勘所になる。
データリンク層でーたりんくそう
同じネットワークの中で、隣り合う機器同士のデータ伝送を担当する層。
OSI参照モデルの第2層で、イーサネットが代表例。MACアドレスを使って同一LAN内の機器へフレームを届ける。スイッチングハブ(L2スイッチ)はこの層で動作する。ネットワークをまたぐ配送は上のネットワーク層の仕事、という区別が重要。
デーモンでーもん
Linuxで画面を持たず常駐し、バックグラウンドで働き続けるプログラム。
サーバプロセスのように、ユーザーの操作とは独立して裏で動き続けるプログラムの呼び名。sshdやhttpdのように、名前の末尾にdが付くものが多い。現在のLinuxではsystemdがこれらの起動・停止を管理し、systemctlコマンドで操作する。
デフォルト・ゲートウェイでふぉるとげーとうぇい
宛先が自分のネットワークの外にあるとき、パケットを最初に託すルータ。
PCは宛先が同一ネットワークなら直接送り、違えばデフォルトゲートウェイへ送る。家庭ではWi-FiルータのLAN側アドレスがこれにあたる。設定が誤っていると「同じLAN内とは通信できるのにインターネットへ出られない」という典型的な症状が出る。
デフォルトゲートウェイでふぉるとげーとうぇい
自分のネットワーク外へ出るときの出口となる機器。
宛先が同一ネットワークにない通信はここへ転送される。家庭や社内ではルータが担う。
デフォルトゲートウェイでふぉるとげーとうぇい
宛先が自分のネットワークの外にあるとき、まずパケットを渡す出口。
ルーティングテーブルに載っていない宛先への通信を、とりあえず引き受けてくれる出口のルータ。家庭では家のルータのアドレス(例:192.168.1.1)がこれにあたる。この設定が間違っていると、LAN内は通じるのにインターネットへ出られない症状になる。
トップレベルドメインとっぷれべるどめいん
ドメイン名の一番右にある区分。.comや.jpなどが該当する。
ドメイン名は右から左へ階層をたどる構造で、頂点の直下にある区分がトップレベルドメイン(TLD)。国別の.jpや汎用の.com、比較的新しい.devなど多数ある。DNSの問い合わせは、ルートDNSサーバからTLDのサーバへと委任をたどって進んでいく。
ドメイン名どめいんめい
IPアドレスの代わりに使う、人間が覚えやすい階層構造の名前。
「example.com」のようにドットで区切られた階層構造の名前で、右側ほど上位(トップレベルドメイン)にあたる。DNSによってIPアドレスへ変換されて初めて通信できる。URL全体と混同されがちだが、ドメイン名はURLの一部分にすぎない。
トランスポート層とらんすぽーとそう
アプリ同士の通信の信頼性や、ポート番号による振り分けを担当する層。
TCPとUDPが属する層。届いたデータをポート番号でどのアプリに渡すか振り分け、TCPなら再送や順序の保証も行う。ネットワーク層が「コンピュータまで」届けるのに対し、この層は「その中のアプリまで」届けると覚えると区別しやすい。
ネクストホップねくすとほっぷ
パケットを宛先へ届けるために、次に渡すべき隣のルータのこと。
ルーティングテーブルの各行には宛先ネットワークとネクストホップが対で書かれており、ルータは一区間ずつバケツリレー式に転送する。最終目的地ではなく「次の一手」だけを示す点が名前の由来。経路の調査ではこの連鎖をtracerouteでたどる。
ネットワークねっとわーく
複数のコンピュータをつないで、データをやり取りできるようにした仕組み。
パソコンやスマホ、サーバなどをケーブルや電波でつなぎ、データを交換できるようにしたもの。家庭や会社の中の小さなLANから、世界中をつなぐインターネットまで規模はさまざま。Linuxではipコマンドなどで自分のマシンのネットワーク設定を確認できる。
ネットワークアドレスねっとわーくあどれす
ホスト部がすべて0のアドレスで、ネットワーク自体を指す代表名。
192.168.1.0/24の「192.168.1.0」がこれにあたり、個々の機器には割り当てられない。ルーティングテーブルでは宛先ネットワークをこのアドレスで表す。「ネットワークアドレスをPCに設定してしまって通信できない」は初心者の典型的なつまずきの一つ。
ネットワークインターフェースねっとわーくいんたーふぇーす
通信の接続口。eth0 や lo などの名前を持つ。
有線・無線・仮想などの種類があり、各々にIPアドレスとMACアドレスが結び付く。
ネットワーク層ねっとわーくそう
IPアドレスを使って、ネットワークをまたいでパケットを届ける層。
OSI参照モデルの第3層で、IPが代表的なプロトコル。宛先IPアドレスをもとに、複数のネットワークを経由してパケットを運ぶ経路制御(ルーティング)を担当する。ルータやL3スイッチはこの層で動作する機器にあたる。
ネットワーク部ねっとわーくぶ
IPアドレスのうち、どのネットワークに属するかを示す前半部分。
IPアドレスはネットワーク部とホスト部に分かれ、ネットワーク部が同じ機器同士は同じネットワークにいるとみなされ、ルータなしで直接通信できる。異なればルータ経由になる。どこまでがネットワーク部かは、サブネットマスクやプレフィックス長で決まる。
パケットぱけっと
ネットワークでデータを分割して送るときの、ひとかたまりの単位。
ネットワークでは大きなデータをそのまま送らず、小さなかたまりに分けて送る。その1つ1つがパケットで、宛先などを書いたヘッダとデータ本体でできている。分割して送ることで、1本の回線を多くの通信が効率よく共有できる。
パケットキャプチャぱけっときゃぷちゃ
ネットワークを流れるパケットを採取して、中身を詳しく調べること。
通信トラブルの原因調査やプロトコル学習の基本手段で、GUIのWiresharkやCLIのtcpdump・tsharkが定番ツール。実際のヘッダやフラグを目で確認できるため、教科書の知識が現物と結びつく。他人の通信を勝手に採取すれば盗聴になるため、自分の環境で行うのが原則。
パケットフィルタリングぱけっとふぃるたりんぐ
パケットの送信元・宛先・ポート番号などを見て、通過か遮断かを決める仕組み。
ファイアウォールの最も基本的な機能で、「外からの22番ポート宛は拒否」のようにルールで通信を制御する。Linuxではiptablesやnftablesがこの役割を担う。パケットの中身までは見ないため、通信内容に潜む攻撃の検出はIDS/IPSやWAFの仕事になる。
ファイアーウォールふぁいあーうぉーる
決めたルールに従い、通す通信と遮断する通信を選別する防御の仕組み。
ネットワークの出入り口で通信を検査し、許可した通信だけを通す防火壁の役割を持つ。送信元・宛先のIPアドレスやポート番号などの条件で判断するものが基本形。Linuxではiptablesやfirewalld、ufwといったツールで設定する。
プライベートIPアドレスぷらいべーとあいぴーあどれす
LANの内側だけで使う、インターネットに直接出られない住所。
10.0.0.0〜、172.16.0.0〜、192.168.0.0〜 の範囲。世界中の別々のLANで同時に使われており、外へ出るにはNATによる変換が必要。IPv4アドレスの節約に役立っている。
プライベートIPアドレスぷらいべーとあいぴーあどれす
LANの中だけで使える、インターネットには直接出られないIPアドレス。
192.168.0.0~や10.0.0.0~など、組織内で自由に使ってよいと決められた範囲のアドレス。同じ番号が別々の家庭や会社で重複して使われても問題ない。インターネットと通信するときは、ルータのNATでグローバルIPアドレスに変換される。
フレームふれーむ
イーサネットなどデータリンク層でやり取りされる送信データのひとまとまり。
データリンク層での送信単位で、宛先・送信元のMACアドレスや誤り検出用のFCSを含む。ネットワーク層のパケットをフレームで包んで運ぶ関係にあり、「層が違えばデータの呼び名も変わる」ことを理解する例としてよく登場する。
プレフィックス長ぷれふぃっくすちょう
IPアドレスのうちネットワーク部が占めるビット数。/24の「24」の部分。
この数字が大きいほどネットワークは小さく分割される。/24なら254台、/30なら2台分のホストを収容できる。IPv6でも同じ考え方を使い、家庭には/64などが配られる。サブネットマスクと同じ情報の別表現である点を押さえると混乱しない。
ブロードキャストぶろーどきゃすと
同じネットワーク内の全機器に向けて、一斉にデータを送る通信方式。
特定の1台に送るユニキャストに対し、同一ネットワークの全機器へ一斉送信する方式。ARPの問い合わせなどで使われる。ルータはブロードキャストを外へ中継しないため、その届く範囲をブロードキャストドメインと呼ぶ。多用するとネットワークの負荷になる。
ブロードキャストアドレスぶろーどきゃすとあどれす
ホスト部がすべて1のアドレス。そのネットワーク内の全機器宛を意味する。
192.168.1.0/24なら192.168.1.255がこれにあたる。DHCPの最初のやり取りなど「相手がまだ分からない」通信で使われる。ネットワークアドレスと同様に機器へは割り当てられず、使えるホスト数の計算で2を引く理由の片方になる。
プロトコルぷろとこる
通信の手順やデータの形式を定めた、機器同士が守る共通の約束事。
「どんな順番で、どんな形式のデータを送るか」を定めた通信の規約。TCP/IPやHTTP、DNSなど役割ごとに多くのプロトコルがあり、層状に組み合わせて使う。メーカーやOSが違う機器同士でも通信できるのは、同じプロトコルに従っているため。
ヘッダへっだ
各層がデータの前に付け足す、宛名や制御情報の部分。
本体データ(ペイロード)の前に付く制御情報。IPヘッダには宛先IPアドレス、TCPヘッダにはポート番号などが入る。各層は自分のヘッダだけを読み、中身のペイロードには手を出さない。
ヘッダへっだ
データ本体の前に付ける、宛先や制御情報をまとめた伝票のような部分。
荷物の伝票にあたる部分で、宛先・送信元のアドレスやデータの種類、誤り検出用の値などが入る。TCPヘッダ、IPヘッダのように各層が自分のヘッダを付ける。パケットキャプチャで通信を解析するときは、このヘッダを読むことが中心になる。
ポートぽーと
1台の機器内でサービスを区別する番号(0〜65535)。
IPアドレスが住所なら、ポートは部屋番号。Webは80/443、SSHは22など。
ポートぽーと
通信の窓口を表す番号。サービスごとに使い分ける。
1台のサーバ上で複数のサービスを区別するための番号。HTTPは80、HTTPSは443、SSHは22が代表例。サービスが「待ち受け(LISTEN)」しているポートに通信が届く。
ポートフォワーディングぽーとふぉわーでぃんぐ
ルータが受けた特定ポート宛の通信を、LAN内の決めた機器へ転送する機能。
インターネット側から届いた特定ポート宛の通信を、あらかじめ指定したLAN内マシンの特定ポートへ届ける仕組み。NAT環境で自宅サーバを外部に公開するときなどに使う。SSHにも同名の転送機能(トンネリング)があり、文脈でどちらを指すか区別する。
ポートマッピングぽーとまっぴんぐ
ホストのポートとコンテナのポートを結ぶ設定。
docker run の -p ホスト:コンテナ で指定する。例: -p 8080:80 ならホスト8080番への通信がコンテナ80番へ転送される。
ポート番号ぽーとばんごう
1台のコンピュータの中で、どのアプリ宛の通信かを区別する番号。
IPアドレスが建物の住所なら、ポート番号は部屋番号にあたる。0〜65535の範囲があり、Webは80/443、SSHは22のように用途が決まっているものも多い。同じマシンで複数のサービスを同時に動かせるのは、この番号で通信を振り分けているため。
ホスト部ほすとぶ
IPアドレスのうち、ネットワーク内の個々の機器を区別する後半部分。
同じネットワーク内では機器ごとに異なる値を持つ。ホスト部が全ビット0のものはネットワークアドレス、全ビット1のものはブロードキャストアドレスとして予約され、機器には割り当てられない。使えるホスト数の計算で必ず登場する概念。
リゾルバりぞるば
ドメイン名からIPアドレスを調べる、DNSの問い合わせ役となる仕組み。
アプリの依頼を受けてDNSサーバへ問い合わせるOS側の機能(スタブリゾルバ)と、ルートサーバから順にたどって答えを見つけ出すフルサービスリゾルバがある。Linuxでは問い合わせ先の設定ファイルとして/etc/resolv.confが登場する。
リゾルバ / resolv.confりぞるば
名前解決の問い合わせ先DNSサーバを決める仕組み。/etc/resolv.conf の nameserver 行が実体。
多くの環境ではNetworkManager等が自動生成する。手で書いても再生成で上書きされることがある。
リッスン(listen)りっすん
サーバが特定のポートで接続を待ち受けている状態。
サービスが起動して、あるポート番号で接続要求を受けられるようにしている状態。ss -tln で待ち受け中のポート一覧を確認でき、:22 や :80 のような番号が窓口を表す。
リンクローカルアドレスりんくろーかるあどれす
同じネットワーク内だけで通用する特別なIPアドレス。ルータを越えられない。
IPv6ではfe80::で始まるアドレスが全インターフェースに自動で付き、隣接機器とのやり取りやRAの受信に使われる。IPv4でもDHCPに失敗すると169.254.x.xが自動設定される。このアドレスしか無い状態は「ネットにつながらない」トラブルの典型的なサイン。
リンクローカルアドレス(169.254)りんくろーかるあどれす
DHCPに届かないとき機器が自分で付ける間に合わせのIP。
169.254.x.x の範囲のアドレス。DHCPサーバから応答が得られないと機器が自動でこのアドレスを割り当てる。これが表示されていたらDHCPにつながっていないサインで、ケーブルやサーバ側を疑う。
ルータるーた
異なるネットワーク同士をつなぎ、パケットの行き先を決める機器。
パケットの宛先IPアドレスを見て、次にどこへ転送するかをルーティングテーブルに従って決める機器。家庭ではインターネットと家庭内LANの橋渡し役になる。同じLANの中で機器をつなぐスイッチングハブとは役割が異なる点がよく問われる。
ルーティングるーてぃんぐ
パケットを宛先まで届けるために、通る経路を選んで転送する処理。
ルータが宛先IPアドレスとルーティングテーブルを照らし合わせ、次にどのルータへ渡すかを決めること。管理者が手で経路を書く静的ルーティングと、OSPFやBGPなどのプロトコルで自動的に経路を学習する動的ルーティングがある。
ルーティング・テーブルるーてぃんぐてーぶる
宛先ネットワークごとに転送先を記した、ルータやOSが持つ経路の一覧表。
パケットが届くたびに宛先アドレスと照合され、最も具体的に一致する行(ロンゲストマッチ)が選ばれる。どの行にも該当しない場合はデフォルトルートが使われる。Linuxではip routeコマンドで確認でき、通信トラブル調査の基本の見どころになる。
ルーティングテーブルるーてぃんぐてーぶる
どの宛先をどこへ送るかを定めた経路の一覧表。
OSが参照し、該当ルートがなければデフォルトゲートウェイへ送る。ip route で確認できる。
ルーティングテーブルるーてぃんぐてーぶる
宛先ネットワークごとに、次にどこへ転送するかをまとめた経路の一覧表。
ルータやコンピュータが持つ「宛先ネットワーク→次の転送先」の対応表。パケットが届くたびにこの表を引いて転送先を決める。Linuxでは「ip route」コマンドで自分のマシンの経路表を確認でき、通信トラブル調査の基本になっている。
ルートDNSサーバるーとでぃーえぬえすさーば
DNSの階層構造の頂点に立つサーバ群。すべての名前解決の出発点になる。
フルサービスリゾルバはまずルートサーバに問い合わせ、「.comのことはこのサーバへ」という委任情報を得て下位をたどる。世界に13系統(A〜M)の名前があり、実体は各地に分散配置されている。ここが止まると新規の名前解決が世界規模で困る重要基盤。
ループバックるーぷばっく
自分自身を指す特別なインターフェース(lo / 127.0.0.1)。
外部に出ず自機内で完結する通信に使う。ローカルで動くサービスの確認に便利。
逆引きぎゃくびき
IPアドレスからドメイン名を調べるDNSの引き方。名前から引く正引きの逆。
ログに残ったIPアドレスの素性を確認したり、メールサーバの正当性チェックに使われたりする。正引きと逆引きの結果は必ずしも一致せず、逆引きが設定されていないアドレスも多い。digやhostコマンドに-xオプションを付けて調べられる。
共通鍵暗号方式きょうつうかぎあんごうほうしき
暗号化と復号に同じ鍵を使う暗号方式。高速だが鍵の受け渡しが課題になる。
AESが代表例で、処理が速いため大量のデータの暗号化に向く。ただし相手に鍵をどう安全に渡すかという問題があり、鍵が漏れれば解読されてしまう。実際のTLS通信では、鍵の受け渡しに公開鍵暗号方式を併用して弱点を補っている。
公開鍵暗号方式こうかいかぎあんごうほうしき
誰でも使える公開鍵と本人だけが持つ秘密鍵のペアを使う暗号方式。
公開鍵で暗号化したデータは対になる秘密鍵でしか復号できないため、鍵を事前に安全に渡す必要がない。RSAや楕円曲線暗号が代表例。処理が遅いので、実際は共通鍵の受け渡しやデジタル署名に使い、本文の暗号化は共通鍵方式に任せる。
静的NATせいてきなっと
内部の1つのIPアドレスと外部の1つのIPアドレスを、固定で1対1に対応させるNAT。
変換の対応が固定なので、外部から内部のサーバへアクセスさせたい場合に使う。社内のWebサーバをインターネットに公開する場面が典型。多数の端末が1つのグローバルアドレスを共有するIPマスカレード(NAPT)とは、対応が固定か動的かで区別される。
物理層ぶつりそう
電気信号や光、電波として、0と1のビットを実際に伝える一番下の層。
OSI参照モデルの第1層。ケーブルやコネクタの形状、電気信号や光信号の仕様など、0と1を物理的に運ぶ部分を定める。LANケーブルや光ファイバ、無線の電波はこの層の話。通信トラブルの切り分けでは、まずケーブル抜けなどこの層から疑うのが定石。
無線LANむせんらん
ケーブルの代わりに電波を使って機器をつなぐLAN。Wi-Fiが通称。
IEEE802.11規格に基づき、電波で機器をつなぐLAN。アクセスポイントを中心に接続し、SSIDでネットワークを識別する。Wi-Fiという呼び名が広まっているが、厳密にはWi-Fiは業界団体の認定名称。電波は傍受されやすいため、WPA2/WPA3などの暗号化が必須。
名前解決なまえかいけつ
ドメイン名をIPアドレスに変換する処理のこと。
アプリは名前で接続を要求し、DNSがIPアドレスを返すことで実際の通信先が決まる。
名前解決なまえかいけつ
DNSなどを使い、ドメイン名から対応するIPアドレスを調べて変換する処理。
「example.comはどのIPアドレスか」のように、名前と実際のアドレスを対応づけること。通常はDNSサーバへの問い合わせで行われるが、Linuxでは/etc/hostsファイルが先に参照される設定が一般的。Webがつながらない原因がここにあることも多い。